おもちゃ病院 修理のヒント 

おもちゃを修理に出したい方はおもちゃ病院のホームページに開院情報があります。


オルゴールの修理(どっかんさんの特別寄稿)


オルゴール、Sankyo製18弁基本タイプの修理方法については

おもちゃ病院協会会報Vol43に詳述されています。

(生島さんより情報をいただきました。)

しかし、私が担当したものは、20弁のもので構造が異なっていました。

(たぶん古いタイプ)

修理したオルゴールの故障箇所

 ガバナー基盤が緩んでいましたが、
再度かしめることにより

 ドラムの金属製の第3ギアとかみ合うようになりました。

       浮いている                  正常位置に戻す

    

  

  速度を調整するべきギアがかみ合っていなかったので、ゼンマイを巻き上げると一気に

 香箱の第1ギアがもどり、ドラムのプラスチック製の第2ギアが欠けてしまったようです。

      

 

 問題はプラスチックの第2ギアです。

 

 いろんな方法が考えられましたが、ギアを再生することにしました。

 ドラムをはずさなければなりません。

 このタイプのドラムは軸受けにかしめて固定してあります。

 

 

1.軸受けに目立てやすりを使いドライバーの刃が入るように溝を掘ります。

  手間です。時間がかかります。根気よく傷をつけてゆきます。

    

 

2.軸受け部のかしめ部分を1.5mmのドリル刃で軸受けに当たるまでさらってゆきます。

  垂直のみならず加減をしながら斜めにもさらってゆきます。(軸受けは円柱のため)

 

3.かしめ部分をさらったらドライバーの刃が入るよう加工した軸受けをドライバーで緩めます。

4.ドラムが外れます。

  

 

5.欠けた第2ギアを再生します。

  かけている部分はギアの先端であり、力のかかる部分でもありギア自体もあまり厚くなく

  (1.5mm)どの程度耐えられるか不明でしたが、エポキシ樹脂で再生することにしました。

    使用したエポキシは手持ちのボンドホーロー補修用でした。

    

  欠けた部分。

  

 

  銅箔で土手を作り接着剤が流れ出さないようにする。

    

  

  欠けた部分にエポキシを盛り付け、硬化後ルータなどでギアを再生します。

  

 

7.ドラムを組み立て軸受けをタッピングビスで固定します。(ちょっと不細工なビスですが)

          

 

8.若干動きはぎこちないものの修理は出来ました。

その他考えた方法

1.第2ギアを削り取り複製した第2ギアに置き換える(型はとってあります)

2.ドラムの第2ギア第3ギアなどドラムの香箱側すべてを複製し置き換えるなど

ぜんまいが切れたりドラムのプラスチック部が破損していなかったのは幸いでした。


 

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