おもちゃ病院 修理のヒント 

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キティーちゃんレジスター、FPC(フレキシブルプリント配線板)の修理

          

動かないと言うので、電池関係をチェック後、分解します。

リード線が何本か切れていましたが、

ここまで分解が進んで、切れていたリード線の行く先が分かりました。

ミドリ、アオ、キ、は2本一組ですが、全てスイッチで、極性はありません。

 

キーボードを消しゴムで磨くと、動作するようになりました。

 

これで完了にすれば良かったのですが、回路を確認したくなってプリント基板をはずしました。

そっと戻したつもりだったのですが、数字が不完全にしか表示しないのです。

LCDとプリント基板を接続しているFPCの一部が断線したようです。

 

このおもちゃはこれ以上分解しないのが賢明です。

プリント基板を取り外そうとは考えないようにしましょう。

 

以下、余計な荷物になってしまったFPCの修理方法です。

  

回路は薄いフィルムにカーボン印刷。

カーボンの隙間に接着剤が印刷。

接着剤が剥がれ、カーボンも相手側に貼り付いていた。

赤線部分で断線。

 

基板側は幅が広くテープで押さえられていましたが、

LCD側は幅も狭くテープ押さえが利きません。

曲げると簡単に断線する状態でした。

 

材料です。

 

1.Wire Glue: カーボンを水に溶かした物。

2.Φ0.13の被覆電線(エナメル線)、27本: 

  FPCと同じ長さで50mm、両端5mm半田仕上げ。壊れたリレーから取り外した物。  

 

こんな風に接着します。

 

1.LCDを台に固定する。

2.出力端子と高さを合わせる板を沿わせる。

3.LCD直下と数センチ離れた場所に両面テープを貼る。

4.ワイヤー先端を出力端子に合わせて、両面テープに貼る

5.0.5mm程度の太さのステンレスワイヤーでWireGlueを一滴落とす。

   長さ:約4cm

6.27本終了後、ワイヤー先端が浮いていないことを確認する。

7.半日〜一日放置する。

8.繋がってしまった箇所を切り離す

9.上塗りする。

10.半日〜一日放置する。

11.繋がってしまった箇所を切り離す

12.上塗りする。

13.半日〜一日放置する。

14.繋がってしまった箇所を切り離す

以上で完成です。

 

ホルダーに両面テープを貼る。

LCDをホルダーに入れ、ワイヤーを順番に並べる。

ホルダーを本体に固定する。

 

基板側のFPCを剥がす。

カーボンが転写されているので、ナイフ等で擦り取ってきれいにする。

 

一本ずつ半田付け。右利きの人は左端から。

 

FPCからワイヤーへの変更が完成です。

 

Wire Glueは数時間で固まり、半日〜一日で実用強度になり、数日でカチカチになります。

こうなると、外そうとするとワイヤーがちぎれます。


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