おもちゃ病院 修理のヒント 


unicraft 株式会社ユニクラフト 社のキャンペーンに乗り無料で両面基板を作ってしまった話

出来上がったプリント基板、両面です。(裏面のべたアースを忘れていました。)

Vカットはしてくれませんので、カット用の線を入れて、後加工がし易いようにしています。

無料キャンペーンですが、発注から7日目には基板が到着しました。

手を抜いているような部分は感じられず、基板の仕上がりも上出来です。

[部品面]                                                            [裏面]

 

くまもん等の拾った音をカン高い音に変えて体をゆするおもちゃが数種類あります。

このところ、2台も続けてIC不良と言うことで、修理不能になってしまいました。

以前、名張市つつじが丘おもちゃ病院のホームページでプログラムを開発済みと言う事は

確認してあったのですが、あまりに込み入った配線だったので躊躇していました。

実際に作ってみたのですが、2度とやりたくない程の複雑さでした。

[31mm x 31mm、抵抗、トランジスター等は裏面]

 

サンハヤト社の感光基板の自作も考えたのですが、0.25のラインは難しいし、

スルーホールの配線等が面倒なので安く作ってくれる所は無いかなと、探してみました。

 

1枚から引き受けてくれるプリント基板製造会社もたくさんあり、

何社か見積もりを取ったのですが1万円から2万5千円でした。

コスト的にちょっと厳しいですよね。

 

面白いキャンペーンを見つけました。

ユニクラフト社が、無料で基板を作ってくれると言うのです。

 

応募してみました。

サイズと枚数で少し考えてしまいました。

 

・基板サイズ:最大100mm×100mm

・発注枚数:1枚

 

かなり小さいのですが、

基板サイズを 33 x 33mmにすれば一辺が、33 x 3 = 99mmとなって

100x100に収まります。割り付けをして 3 x 3 = 9枚作れることになります。

 

これならばと言う事で、基板製造のためのデータをつくります。

昔はアートワークでしたが、今はガーバーデータです。

いずれにしても、CADがいります。

 

ユニクラフト社はPCBeと言う基板専用CADを推奨しています。

私が昔から使ってきたCADですが、良い機会なので、CADソフトを探して試用してみました。

 

CADLUS C & CADLUS X

C で回路図を描いてネットリストを作り、X でアートワークをつくります。

X の使い勝手もPCBeのように直観的で良かったのですが、ガーバーデータを出そうとすると

無料では無くなってしまうので、使用せず。

 

DesignSpark PCB

回路図を描けば、後はほぼ自動ですが、手動にしようとすると

分かりにくく、操作が難しくなってギブアップしました。

 

[回路図]

 

いくつかのソフトを組み合わせる事で時間短縮が出来ました。

DesignSpark PCB で回路図を描き、部品を配置し、自動で配線させます。

最適な部品配置を探し、ラインの接触、交差等は無視します。

 

出力したガーバーデータをPCBeで読み込みます。これでかなり手間が省けました。

部品のパッドが気に入らなかったので、置き換え未配線部分を配線し

手直ししてアートワークの出来上がりです。

 

ライン幅、パターン間隔は0.18mmまでOKのようですが、信頼性を考慮して 0.25mmとし

外形はVカット分を考慮して32.5 x 32.5mmとしました。これで9枚取れます。

 

おもちゃ病院はボランティアですので、無料でこのような基板が作れれば

専用ICの不良で直らなかったおもちゃを生き返らせる機会が増え、大助かりです。


戻る