おもちゃ病院 修理のヒント 

おもちゃを修理に出したい方はおもちゃ病院のホームページに開院情報があります。


14.ギヤーを複製する実験

旋盤、フライス盤による加工、3Dプリンター等により作れそうですが、一から揃えると

かなりの投資になりますし、メンテも大変です。

最もとっつきやすいと思われる方法を紹介します。

 

型を作ります。

「型取くん」と言う商品名で販売されている、過熱すると柔らかくなるプラスティックを使います。

プラリペアを販売している会社から出ています。

  

1.ギヤーの表面に極少量のシリコンオイル又は植物油を塗っておきます。

2.作りたいギヤーを包むのに充分な大きさ(4〜5倍でしょうか)の体積を切り取ります。

3.充分な深さのお皿に沸騰したお湯を入れ、型取くんを入れて柔らかくします。

4.小さければ、すぐ柔らかくなるので、取り出して、良く拭いて水気を取ります。

5.気泡が出来ないようにギヤーを包み込むようにして、型を取ります。中心の穴にも押し込みます。

6.固まったら上部をカッターナイフで切り落として、ギヤーを取り出します。

 

ギヤーの材料選び。

ギヤーの材質はナイロン系の硬い素材ですので、硬いのに粘りがあります。

硬いだけではシャフトに圧入した時に割れてしまうのです。

型への充填剤に2液のエポキシ接着剤を使う事にしました。

メーカー、ブランドによって硬さが違いますので、各種試してみました。

1.ダイソーの10分硬化タイプ: 充分に硬いのですが、層状になるようで、バリ取りにカッターを

                                     入れたら全体に剥がれてきました。

2.セメダインスーパー60分硬化タイプ: 充分に硬いのですが、シャフトを圧入したら割れました。

3.セメダインハイスーパー5分硬化タイプ: セメダインスーパーと同じでした。

4.ボンドクイック5分硬化タイプ: 柔らかいスポンジのようになりダメでした。

5.セメダインEP001N40分硬化タイプ: 同上です。ふにゃふにゃでした。

と言う事で、使えそうなものは下記2点です。

1.ボンドクイック5分硬化タイプで硬化剤を2倍に増量した物

  増量すればするほど硬くなります。粘りが残りますので、ギヤーに使えそうです。

2.セメダインEP001N40分硬化タイプで硬化剤を2倍に増量した物

  たまに柔らかいギヤーが使われているおもちゃをみかけますので、つかえるかも。

 

ギヤーの製作

1.抜き易くなる様に楊枝を使って、型に少量のオイルを満遍なく塗りつけておきます。

2.ボンドクイック5分硬化タイプで硬化剤を2倍に増量した物を作ります。

3.楊枝を使い、型に少しずつ入れて行きます。

4.気泡を抜くために、時々、針でかき混ぜます。

5.充填できたら、外側にあふれさせますて「ヘタ」を作っておきます。

6.2〜3時間放置後、柔らかさが残っているうちに取り出します。

7.24時間放置して完成です。

  

 

M=7、外周径Φ8.6のギヤーが入手出来なかったので、作ってみましたが、上手く働きました。

ギヤー穴径2.7mm、シャフト径3mmで割れずに圧入できました。

寿命が?ですが、使えています。

 

トミーマック さん: PPXで硬くて良いものが出来たとの報告がありました。(ちょっと高価)

ついき さん: プラリペアでは硬くてすぐ欠けてしまったとの報告がありました。(残念)


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