おもちゃ病院 修理のヒント
おもちゃを修理に出したい方はおもちゃ病院のホームページに開院情報があります。
旋盤、フライス盤による加工、3Dプリンター等により作れそうですが、一から揃えると
かなりの投資になりますし、メンテも大変です。
最もとっつきやすいと思われる方法を紹介します。
型を作ります。
「型取くん」と言う商品名で販売されている、過熱すると柔らかくなるプラスティックを使います。
プラリペアを販売している会社から出ています。
1.ギヤーの表面に極少量のシリコンオイル又は植物油を塗っておきます。
2.作りたいギヤーを包むのに充分な大きさ(4〜5倍でしょうか)の体積を切り取ります。
3.充分な深さのお皿に沸騰したお湯を入れ、型取くんを入れて柔らかくします。
4.小さければ、すぐ柔らかくなるので、取り出して、良く拭いて水気を取ります。
5.気泡が出来ないようにギヤーを包み込むようにして、型を取ります。中心の穴にも押し込みます。
6.固まったら上部をカッターナイフで切り落として、ギヤーを取り出します。
ギヤーの材料選び。
ギヤーの材質はナイロン系の硬い素材ですので、硬いのに粘りがあります。
硬いだけではシャフトに圧入した時に割れてしまうのです。
型への充填剤に2液のエポキシ接着剤を使う事にしました。
メーカー、ブランドによって硬さが違いますので、各種試してみました。
1.ダイソーの10分硬化タイプ: 充分に硬いのですが、層状になるようで、バリ取りにカッターを
入れたら全体に剥がれてきました。
2.セメダインスーパー60分硬化タイプ: 充分に硬いのですが、シャフトを圧入したら割れました。
3.セメダインハイスーパー5分硬化タイプ: セメダインスーパーと同じでした。
4.ボンドクイック5分硬化タイプ: 柔らかいスポンジのようになりダメでした。
5.セメダインEP001N40分硬化タイプ: 同上です。ふにゃふにゃでした。
と言う事で、使えそうなものは下記2点です。
1.ボンドクイック5分硬化タイプで硬化剤を2倍に増量した物
増量すればするほど硬くなります。粘りが残りますので、ギヤーに使えそうです。
2.セメダインEP001N40分硬化タイプで硬化剤を2倍に増量した物
たまに柔らかいギヤーが使われているおもちゃをみかけますので、つかえるかも。
ギヤーの製作
1.抜き易くなる様に楊枝を使って、型に少量のオイルを満遍なく塗りつけておきます。
2.ボンドクイック5分硬化タイプで硬化剤を2倍に増量した物を作ります。
3.楊枝を使い、型に少しずつ入れて行きます。
4.気泡を抜くために、時々、針でかき混ぜます。
5.充填できたら、外側にあふれさせますて「ヘタ」を作っておきます。
6.2〜3時間放置後、柔らかさが残っているうちに取り出します。
7.24時間放置して完成です。
M=7、外周径Φ8.6のギヤーが入手出来なかったので、作ってみましたが、上手く働きました。
ギヤー穴径2.7mm、シャフト径3mmで割れずに圧入できました。
寿命が?ですが、使えています。
トミーマック さん: PPXで硬くて良いものが出来たとの報告がありました。(ちょっと高価)
ついき さん: プラリペアでは硬くてすぐ欠けてしまったとの報告がありました。(残念)