おもちゃ病院 修理のヒント 

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12.大きなカーボン印刷基板(ANIMAL MUSIC & SOUND)

 足なのか、手で遊ぶのか判然としないのですが、

 かえる等の絵柄を押すと鳴き声が出、男の子と女の子を押すと

 童謡が流れるおもちゃでした。

           

 上部の赤い小箱にICが入っており、絵柄の部分はキーボードになっています。

 中を開けると、

 キースイッチは常識的なカーボン印刷ですが、回路が全てカーボン印刷になっていました。

 それも、薄いビニールシート(0.1mm?)に印刷されています。

 大きさを分かってもらうために新聞紙を並べてみました。

 

 テスター棒を赤、黒とも抜き取り、ジャンパークリップで接続して、各スイッチを検査します。

 違う場所に接触しないよう首からかけてテストしました。

           

 2つ位しか鳴きません。

 カーボン回路が断線、又は一部擦り切れているのかなと、カーボンで補強してみました。

 大部分は働くようになりましたが、根元から一番遠いキーだけが働きません。

 同じ線にぶら下っている他のスイッチは働くので、

 一つ手前のスイッチまで補強しても、働きません。

 

 色々テストした結果、

 細く長い部分のカーボンが擦れて薄くなっているようです。

 その為、スイッチが物理的にONになっても、必要なだけ抵抗値が低下していないらしい、

 と言うことになりました。

 

 細く、長いカーボン回路に沿わせて細い銅線(0.1mm)をカーボンで貼り付けました。

    

 左隅から下側の小さなスイッチ群に行く回路部分。                上端付近にある細い回路部分。

 

 これで、全てのスイッチが働くようになりました。

 

 スイッチの緩衝材として5mmのスポンジがはさんであり、スイッチ部に穴が開いています。

 このスポンジが黒くなっていましたので、カーボンが擦れて薄くなっていたのは間違いなさそうです。

 

 作る方も、もう少し考えて作って欲しいものです。


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